STABAT MATER  Late Medieval Motetts of Penitence snd Passion
 (悲しみの聖母 中世後期のざんげと受難のモテット)

(99/11/26)


収録作品
  1. Alve Maria gemma virginum (Jean Mouton c.1459-1522)
    めでたしマリア,乙女の宝石(ジャン=ムトン)

  2. Stabat Mater (Josquin Des Prez c.1440-1521)
    悲しみの聖母(ジョスカン=デ=プレ)

  3. Sancta Maria mater dei (William Pasche fl.1530)
    聖なるマリア神の御母(ウィリアム=パシェ)

  4. Stabat Mater (Orlande de Lassus 1532-1594)
    悲しみの聖母(オルランド=ディ=ラッスス)

  5. Wofully Araide (Wiliam Cornysh, Jr. d.1523)
    大斎期(四旬節)の祈り「悲しみをまとった我が血」(ウィリアム=コーニシュ ジュニア)

  6. Media vita (John Sheppard d.c.1559)
    生命の半ばに(ジョン=シェパード)

  7. Lugebat David Absalon (Nicolas Gonbert c.1495-c.1560)
    ダヴィデはアブサロンを悼む(ニコラ=ゴンベール)

     ※曲名和訳を書いた帯がついていました。ありがたや。

演奏者
  Cantores/David Allinson (Cond.)
  CD : ASV CD QS6234 (England)


 ただいま一番気に入っているCDです。1枚1,080円(税別)で買い得でした。標題の「中世後期」というのはちょっと違いますね。実際に収められている内容は盛期ルネサンスの作品です。演奏しているグループは聞いたことのない名前ですが,英国の ”Exeter University” の室内合唱団だそうで,プロの歌手ではなさそうです。このCDでは16人のメンバーで歌っています。なお,最高声部のみは女声ですが,まるで少年合唱のような透明な発声です。演奏は正直言ってそれほど際立って上手とは思いませんが,なぜか非常に惹かれるものを私は感じます。いったい何なのでしょうか?ポメリウムなどと一緒でα波がよく出る演奏なのかも知れません。

 プログラムはフランドルの作曲家の作品4曲とイギリスの作曲家の作品3曲が歌われています。
 最初のムトンのモテットは非常に美しいのですが,8声部のカノンでできている難物でもあります。私はムトンという人の作品がとても気に入っていて,シアターオブヴォイシズのCD(*1)を愛聴してきましたが,この「カントレス」の演奏もなかなかのものです。それと,最後のゴンベールが実に切々とした美しい作品で,この2曲がとても気に入りました。ジョスカンとラッススはそれなりの水準ですが,あともう一息という感じです。
 プログラムの中心となっているのはシェパードの「メディア=ヴィタ」ですが,これは美しい曲ですね。ただ,「タリス=スコラーズ」の演奏(*2)に比べるとさすがに聴き劣りがします。とはいえやはり自国のものだけあってよく練れた演奏だと思います。同じイギリスの作曲家パシェとコーニッシュの作品も非常に美しいものです。コーニッシュの作品は各パートのソリストによる四重唱から入りやがて全員が加わっていく,かなりダイナミックレンジの大きい演奏です。

 このCDを聴きながら眠りにはいると非常に気持ちがよいのです。このところ毎晩聴いています。

*1 Harmoniamundi 97136 "Josguin Desprez Missa de beata Virgine / Jean Mouton Motetts"
*2 GIMEL CDGIM016 "John Sheppard Media vita"


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