ピーター=フィリップス「カンツィオネス・サクレ」

(02/12/29)

Peter Philips : Cantiones Sacrae Quinis Vocibus
 (フィリップス:5声の宗教声楽曲集)
NAXOS 8.555056 演奏者 The Tudor Consort (Chor)
Peter Walls (Cond.)
CD : NAXOS 8.555056 (香港)
収録作品 Peter Philips (c.1561-1628) / Cantiones Sacrae Quinis Vocibus
(Antwerp 1612)
  1. Salve Regina
  2. Conceptio tua
  3. Hodie beata Virgo Maria
  4. Gaude Maria Virgo
  5. Alma Redemptoris Mater
  6. Iste est Johannes
  7. O nomen Jesu
  8. Ave gratia plena
  9. Cantabant Sancti
  10. Stella, quam viderant Magi
  11. Tibi laus, tibi gloria
  12. Salve, salutaris Victima
  13. O Maria Mater
  14. Mulieres sedentes
  15. Surgens Jesus Dominus
  16. Christus resurgens

 ピーター=フィリップスというと、まずタリススコラーズの指揮者が思い浮かびます。でも、ここでご紹介するのは全くの別人です。
 このフィリップスさんは1561年か1562年にロンドンで生まれ、少年時代にロンドンの聖パウロ教会の少年聖歌隊に属していたそうです。その後ドゥエ(Douai)大学に入学し、1585年にはローマへ留学してパレストリーナとアネリオの教えを受けたとのことです。それからヨーロッパをあちこち旅行した後、1590年にアントワープで音楽教師となり,1597年に宮廷オルガニストとなり、没するまでその職を勤めたという経歴の方です。
 作品は、1596年にマドリガル集を、1612年に「5声のカンツィオネ・サクレ」を、翌年には「8声の二重合唱によるモテット集」を出版しています。また、フィッツウィリアム・ヴァージナルブックにも作品がいくつか収録されています。そのほか未出版の作品も数多くあるとか。彼が生きていた当時はとても有名な音楽家だったようです。

 さてさて久しぶりにナクソスです。フィリップスの名前はカッチーニの「アマリリ麗し」の鍵盤用編曲くらいしか聴いたことがなかったので、ほとんど全く予備知識なしに聴きましたところ、あたりでした。ルネサンスもこの時代になると対位法的な絡みよりも和声的な作りが前面に出てきて響きの厚い音楽になっています。色合いは違いますが、スペインのヴィクトリアとも通じるような雰囲気があります。凡庸な作品ではありません。そしてイギリスではなく大陸で活動していたせいでしょう、いかにも英国風な和音はあまり出てきません。
 演奏の方は、各パート4〜5人で歌っており、透明感を損なわずに結構厚みのある響きを作り出して、なかなかいい感じです。久々に知られざる曲のいい演奏に行き当たりました。ついでにフィリップスの他のCDを探したらいくつかみつかりました。

 

各パート1人+オルガン伴奏で歌われているため響きが少々薄めですが、これも良い演奏です。
この曲集には全部で69曲の作品が入っています。上との重複は12〜18の6曲です。
Peter Philips : Cantiones Sacrae Quinis Vocibus
 (フィリップス:5声の宗教声楽曲集)
ASV CDGAU217 演奏者 The Sarum Consort
Andrew Mackay (Cond.)
CD : ASV CDGAU217 (英国)
収録作品 Peter Philips (c.1561-1628) / Cantiones Sacrae Quinis Vocibus
(Antwerp 1612)
  1. Factum est silentium
  2. O Crux splendidior
  3. Ascendit Deus
  4. Modo veniet Dominator Dominus
  5. Ave verm corps
  6. Cantantibus organis
  7. Gaudent in coelis
  8. Hodie Sanctus Benedictus
  9. Mulieres sedentes
  10. O beatum et sacrosanctum diem
  11. Simon Petre
  12. Gaudeams omnes
  13. O nomen Jesu
  14. Iste est Iohannes
  15. Cantabant Sancti
  16. Surgens Jesus
  17. Stella, quam viderant Magi
  18. Hodie beata Virgo Maria

 

"The English Orpheus" というシリーズの17巻です。5声の作品が6曲、8声の作品が7曲、他1曲収録されていますが、演奏はちょっと危なっかしい感じです。特に少年合唱の音程が不安定なのが気になります。
Motets by Peter Philips
 (フィリップス:モテット集)
Hyperion CDA66643 演奏者 Chor of Winchester Cathedral
The Parley of instruments
David Hill (Cond.)
CD : Hyperion CDA66643 (英国)
収録作品 Peter Philips (c.1561-1628) / Cantiones Sacrae Quinis Vocibus
(Antwerp 1612), Cantiones Scrae Octonis Vocibus (Antwerp 1613)
  1. Ecce vicit Leo (1613)
  2. O quam suavis est-2 (1613)
  3. Tristita vestra (1612)
  4. Tibi laus, tibi gloria (1612)
  5. Ave Jesu Christe (1613)
  6. Tu es Petrus (1613)
  7. O Crux splendidior (1612)
  8. Christus resurgens (1612)
  9. Salve Regina (1613)
  10. Cantantibus organis Cecilia (1612)
  11. Ascendit Deus
  12. O quam suavis est-1 (1613)
  13. Hodie concepta est (1613)
  14. Litania duodecima a 9 (Antwerp 1623)


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