ムルシアのギター作品

(02/8/14)

SANTIAGO DE MURZIA / Passacalles y Obras de Guitarra
(サンチャゴ=デ=ムルシア:パッサカリアとギター作品集)
la ma de guido LMG2017   演奏者:William Waters (Guitarra barocco de Stephen Barber)
  CD :LA MÀ DE GUIDO LMG2017 (スペイン)
収録作品
サンチャゴ=デ=ムルシア(ca.1685〜?)
Fandango
Cumbees
Sonata (Allegro-Grave-Allegro)
Preludio y Obra por la K (Predddio-Allemanda-Correnta-Zarabanda-Giga)
Giga de Coreldd
Cannarios
Zangarilleja y La Chamberga
Passacalles por la A
Tocata de Corelli (Grave-Allegro-Despacio y Giga)
Passacalles por la E
Gallardas
Zarambeques
El Caballero
Passacalles por la C
Marionas por la B
Los imposibles
Les Penas
Sarao
La Jota
Baylad Caracoles

 リュートを勉強していながら古い時代の撥弦楽器のレパートリーをほとんど知らないので、ちょっと恥ずかしくなり、リュート・ギター・ヴィウェラなどのCDを手当たり次第に数枚買い込みました。どれもわりと静かで内省的な作品が多かったのですが、その中で「あっ!」と驚いたのがこの1枚です。

 解説によりますと、ムルシアさんはバッハとほぼ同じ頃に生まれ、少年時代は教会の聖歌隊員をしていたそうです。父親のガブリエルもギターとヴイウェラの演奏者で、この父から手ほどきを受け、その後アントニオ=リテレスとフランチェスク=ゲロー(有名なギタリストらしい)という音楽家に学んでいるようです。
 1705年頃から短期間、サヴォイの女王マリア=ルイサ=ガブリエラ(フェリペ5世の最初の妻で若死にした)のギター教師を務め、その後イタリアの騎士ジャコモ=フランシスコ=アンドリアーニという人物に仕えていたそうです。最初の曲集(Resumen de Aconpañar la Parte con la Guitarra 1714)は彼に献呈されました。他に2冊の曲集(Obras y Passacalles por todos los Tonos naturales y accidentales 1732El Saldivar Codex No.4 1732年頃)を残していますが、これらは後のパトロン、アルヴァレス=デ=サーヴェルダという人物に献呈されています。最初の曲集の写本と他の2冊の唯一の写本がメキシコで発見されていることから、彼はメキシコに渡って、そこで生涯を終えたのではないかと推測されています。

 このCDに収められている作品は全てメキシコで発見された2冊の曲集から取り上げられています。どれもカラッとしていて明るい雰囲気にあふれています。それに音楽に勢いというか押しの強さを感じます。実は一緒にコルベッタという人のギター曲集のCDも購入したのですが、こちらは落ち着いたウェットな感じで、同じギターなのに両者のあまりの違いに唖然としてしまいました(時代が1世紀近く離れているので当然といえば当然ですが)。中でもコレッリのヴァイオリンソナタを編曲したものなど、実に巧みに作られています。これは掘り出し物です!
 ちなみに、この時代のギターは5コースで、いちばん音程の高い弦以外は弦が2本ずつ張られています。つまり弦が合計9本あるわけですね。リュートとも現代のギターとも違ったとても華やかな音色です。


CD紹介へもどる

表紙へもどる