クラウスの交響曲

(02/3/17)


Joseph Martin Kraus (1756-1792) / 4 SYNFONOEN, SYMPHONIE FUNEBRE
(ヨーゼフ=マルティン=クラウス:4つの交響曲、葬送交響曲)

CAPRICCIO 10396   CAPRICCIO 10396

  演奏者:CONCERTO KÖLN

  CD : CAPRICCIO 10396/10460 (ドイツ)

収録作品

  1. 交響曲 ハ短調 (Largett-Allegro/Andante/Allegro assai)
  2. 交響曲 変ホ長調 (Alegro/Largett/Allegro)
  3. 交響曲 ハ長調 (Andante di molto-Allegro/Un poco andante/Allegro)
  4. 交響曲 ニ長調 (Allegro/Andante un poco largo/Allegro)
  5. 交響曲 ニ長調 「教会交響曲」(Andante maestoso/Allegro maestoso)
  6. 交響曲 嬰ハ短調 (Andante di molto/Andantino/Menuetto I-II/Allegro)
  7. 交響曲 ハ長調 (Adagio-Allegro/Andante/Allegro)
  8. 交響曲 ハ短調 「葬送交響曲」(Andante mesto/Largetto/Choral/Adagio)
(1〜4は10369に、5〜8は10460に収録)


 古典派の時代の音楽家といえば、まずハイドン・モーツァルト。その他といえばボッケリーニとグルックがちょっと知られた程度でしょうか。その陰にはおそらく数多くの知られざる作品が眠っているのでしょう。モーツアルトと同じ年に生まれ、モーツァルトより一年早く亡くなった、このクラウスさんもそのひとりです。
 クラウスさんはドイツのミルテンベルク・アム・マインというところで生まれ、マンハイムのギムナジウムからマインツの大学に進み、哲学と法律を学んだそうです。そこから今度はエアフルトに移り、バッハの弟子だったキッテルに師事して音楽を学びました。ってことは、バッハの孫弟子になるわけですね。さらにゲッティンゲンで勉強を続け、詩人のグループを作ったりもしてるそうです。
 1778年にストックホルムのグスタフ3世の宮廷に職を得、宮廷教会の楽長となります。王様の命を受けて1782年から4年間、勉強のためドイツ・イタリア・フランス・イギリスを旅行し、グルック・アルプレヒツベルガー・ハイドン・マルティーニ神父などと知己を得ます。10369に収められている交響曲ハ短調はハイドンの指揮で初演されたとのことです。そして、クラウスは1789年の末にストックホルムへ戻ります。
 グスタフ3世は文化芸術に傾倒しましたが、度が過ぎて国家財政を圧迫することとなり、反対派によって暗殺されてしまいます(ヴェルディのオペラ「仮面舞踏会」はこの史実をもとにつくられました。)その葬儀の際に葬送交響曲が演奏されました。それから程なく、後を追うようにクラウスも亡くなってしまいます。

 先日ラジオで嬰ハ短調の交響曲を耳にしたのが印象に残り、CDを探したらこの2枚が見つかりました。1991年と92年に出たCDなので新しいものではありませんが、発売当初は話題になっていたのでしょうか。古典派はどちらかといえば苦手なので、私が知らなかっただけかもしれません。他にナクソスからもクラウスの交響曲のCDが3枚出ていますが、こちらはかなり人気があるらしく、店頭で見かけたことがありません。
 クラウスの交響曲はモーツァルトのような押しつけがましさがなくて、私は気に入りました。モーツァルトは一度聴いただけでメロディーが耳について離れないので、どうも押しつけがましくてイヤなのですが、クラウスさんはそういうことがありません。(これは欠点でもあるのでしょうね。)メロディーよりも構成を重視してるようです。それと、1曲を除いてメヌエットがなく、3楽章構成としています。クラウスさんは交響曲にメヌエットはそぐわないと思っていたそうです。このため1曲の長さは20分程度と、やや短めです。
 短調の作品が特にいいですね。モーツァルトの40番は冗長で大嫌いなのですが、それとはまるで違います。コンチェルトケルンの清冽な演奏に負うところも大きいとは思いますが、それにしても古典派の作品の中で短調の作品は決して多くないと思いますので、その中では出色の出来ではないかと思います。
 クラウスさんの作品は、LP時代のカタログには全く記載がありません。CDの時代になってから発掘されたようです。録音は交響曲の他に弦楽四重奏やオラトリオもありますので、またの機会にご紹介しようと思います。


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