ライディングのオルガン作品

(02/1/24)


Orgelmusik aus Ottobeuren(オットーボイレンのオルガン音楽)


収録作品
 T. Sämtliche überleierte Werke für Orgel von Georg Dietrich Leiding

  1. Praeldium C-dor
  2. "Von Gott will ich nicht lassen" Versus1-6
  3. "Wie schön leuchtet der Morgenstern"
  4. Praeludium Es-dor
  5. Praeludium B-dor
 U. Konzerttranskription von Walther, Werke von Balbastre und Schnitzer
  1. Blamr(?-?) - Walther(1648-1748) : Concerto A-dor LV128
  2. Vivaldi(1678-1741) - Walther : Concerto h-moll LV133
  3. Claude Balbastre(1727-1785) : Noël Suisse
  4. Franz Xaver Schnitzer(1740-1785) : SonataT C-dor
  5. Torelli(1658-1709) - Walther : Concerto a-moll LV140

  演奏者:Jan Overduin (Orbgan)

  CD : ebs ebs6010 (Deutschland)

 

Leyding/Johnsen/COMPLIETE ORGAN WORKS(ライディンクとヨンセンのオルガン作品全集)


収録作品
 Georg Dietrich Leiding(1664-1710)

  1. Praeldium C-dor
  2. Praeludium Es-dor
  3. "Von Gott will ich nicht lassen" Versus1-6
  4. "Wie schön leuchtet der Morgenstern"
  5. Praeludium B-dor
 Henrik Philip Johnsen(1717-1779)
  1. Fugue in C
  2. Fugue in D
  3. Fugue in Es
  4. Fugue in G
  5. Fugue in d
  6. Fugue in c

  演奏者:Håkan Wikman (Orbgan)

  CD : ALBA ABCD129 (Finland)


 ライディングなんて作曲家、ほとんどの方はご存じないのではないでしょうか?実は私も知りませでした。上にご紹介したebsのCDはヴァルターのコンチェルトとオットーボイレンのオルガンを目当てに数年前購入したもので、ライディンクはあまり気に留めてなかったです。ところが先日ALBAのCDを見つけ、「そういやこんな人もいたっけっかな」程度の気持ちで聴いてみたらナカナカの作品だったので、以前に購入したのと聴き比べ、惚れ直したという次第です。

 ライディンクさんについてはJ.G.ヴァルターの音楽事典(1732年ライプツィヒで出版)に記されていることが唯一の情報源のようです。これによるとライディンクさんは1664年2月23日にビュッケン(Bücken)というところで生まれたそうです。幼い頃から並はずれた音楽への才能を発揮し、15歳からブラウンシュヴァイク(Braunschweig)でオルガニストのベルシェ(Jacob Bölsche)という人物の許で5年間オルガンの修行を積んだそうです。1684年にラインケンとブクステフーデ(当時の二大巨匠ですね)の教えを受けるためハンブルクとリューベックを訪れました。しかし、この年に師匠のベルシェが病気になったため、代役を務めるため急遽ブラウンシュヴァイクへ戻り、まもなく急死してしまった師匠の後任として聖ウルリッヒ教会及び聖ブラジウス教会のオルガニストに就任しました。その後もタイレ(Johann Theile, 1646-1724)から作曲を学び、後に聖マグニ教会のオルガニストに就任し、亡くなるまでその職を務めたそうです。
 ヴァルターは彼のことを「謙遜で控えめで穏和な人物であり、同僚で彼の悪口を言うもはなく、皆から品位ある者と認められていた」と記しています。もっともヴァルターはライディンクと直接面識があったわけではなく、友人の音楽家から情報を得たようです。

 さて、ライディンクさんの作品ですが、オルガン曲5曲しか残っていません。前奏曲のハ長調と変ロ長調は真ん中にフーガ風の部分を挟んだブクステフーデ風の作品で、どちらもペダルが華々しく活躍します。彼がペダル鍵盤の名手だったことが伺い知れます。変ホ長調の前奏曲はソロとトゥッティが交替するような協奏曲風の効果を狙っているようです。「我は神より離れまじ」は6つの部分からなるコラールパルティータでわりと平易な感じ。「暁の星の麗しさよ」は ブクステフーデの同名の作品を小振りにしたような素敵なコラールファンタジアです。リコーダーアンサンブルにできないかな?楽譜はベーレンライターから出ていますが、アカデミアミュージックには置いてなかったです。

 演奏の方はというと、上のオーヴァードゥインさん(と読んでいいのかな?カナダ人です)の方は快速でバリバリと弾きまくるので目が回るようです。前奏曲は超絶技巧ですごいのですが、コラールはもう少ししっとりと弾いいただけないかな。このCDはむしろヴァルターの作品が楽器の性能に見合ってすばらしい演奏です。
 それに比べると下のヴィクマンさん(でいいのかな?)の演奏はテンポがゆっくりめで丁寧な感じがします。私個人としてはこちらの方が好みにあっています。
 それと使用している楽器の規模にかなりの差があるので、その点でもずいぶん印象が違います。オーヴァードゥインさんが弾いているオットーボイレンの三位一体オルガンと比べると、ヴィクマンさんの弾いているストックホルムフィンランド教会のオルガンはかなり小型です。迫力や音色の多彩さ、音場感では前者が勝りますが、音の動きの明瞭度では後者が上です。(ヴィクマンさんのホームページにこのオルガンの写真がありますのでどうぞご覧ください)。ただ、いっしょに入っているヨーンセンのフーガがつまらない(失礼)。個人的希望をいわせていただくと、ブルーンスをいっしょに入れて欲しいなぁ。生まれた年が一年違いですし、残された作品の数も一緒です。そんなCDが将来出ることを望みますね。


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