バッハ/フランス組曲(BWV812-817)いろいろ2

(01/1/1)


 昨年のお正月に続いてフランス組曲のご紹介です。


1. グスタフ=レオンハルト(Gustav Leonhardt)盤

   CD : SONY SRCR2425 (日本)
   使用楽器:David Rubio, Oxford 1973 & 1975, after Taskin)

  1975年録音で,かつてSEONから2枚組LPで出ていました。SBMでマスタリングし直したCDですので,古い録音の割に音質は良好です。しかもフランス組曲6曲をCD1枚に収めて1,680円(税込み)のお徳盤です。
 演奏の方は非常にどっしりとした大柄な印象で,さすがは巨匠と思わされます。でも,フランス組曲に限っては,私はどちらかといえばもう少し軽やかな演奏が好みです。パルティータなんかはレオンハルトさんのこういう演奏が好きですけど。ともあれ,これはまず模範となる立派な演奏だと思います。


2. クリストファ=ホグウッド(Christopher Hogwood)盤

  CD : DEECA 466 736-2 (ENGLAND)
  使用楽器:Andreas Ruckers 1646/Pascal Tasqin 1780 (BWV818a, 812-814)
       Jean-Claude Goujon 1749/Jacques Joachm Swanen (BWV815-817, 819)

 フランス組曲6曲の他に2曲の組曲(イ短調BWV818aと変ホ長調BWV819)と,さらにBWV819の異稿のアルマンドまで収められている2枚組の廉価盤CDです。1984〜5年の録音で,これもかつてオワゾーリルからLPで出ていたと思いますす。
 ホグウッドさんはオリジナルのチェンバロ2台で長調の曲と短調のを引き分けています。楽器の音は非常に美しいですね。特に短調の曲を弾いている楽器はとても繊細な音です。ただ,演奏の方は何だかとてもサラサラしていてBGM的です。聞き終わっての印象があまり残っていません。いくら軽やかな演奏が好きとはいえ,軽やかすぎるのもねぇ。


3. 曽根麻矢子 盤

  CD : ワーナーミュージック WPCS-10600/1(日本)
  使用楽器:David Ley 1970, after Dumont 1707

 フランス組曲6曲が2枚のCDに収められています。2枚で3,150円(税込み)ですので,日本盤としてはお買い得です。山梨県の牧丘町民文化ホールでの録音と記載されています。チェンバロの音もホールの響きもとても美しく収録されています。
 テンポは比較的ゆっくり目で,しっとりした印象の演奏です。装飾音もよく考えられています。時折ぶっきらぼうに聞こえる箇所があってちょっと気になりますが,まずまずの好演と思います。
 


4. マリオ=ヴィデーラ (Mario Videla)盤

  CD : Hänssler 92.135 (Deutsch)
  使用楽器:Adlam-Burnette, Finchcocks, Kent, England 1979, after Nicola & Francois Blanchet 1730

 ヴィデーラさんはアルゼンチン出身の奏者です。お年が記載されていませんが,解説にフリッツ=ノイマイヤー,フェルディナンド=コンラート,ハンス=マルティン=リンデに学んだとありますので,それなりの年齢の方のようです。
 このCDはヘンスラーのバッハ全集135巻で "Clavier-Büchlein für Anna Magdalena Bach 1722" というタイトルしかジャケットに印刷されていないのですが,中身はアンナ=マグダレーナのための小曲集に収められているフランス組曲の1〜5番の初期稿が演奏されています。他にメヌエットBWV841とアリアBWV991がクラヴィコードで,コラール "Jesu, meine Zuversicht"(わが堅き望みなるイエス)BWV728とファンタジアBWV573がオルガンで演奏されています。
 これは非常にすばらしい演奏です。ことばにするのが難しいですが,テンポも装飾も遊び心たっぷりで,非常に余裕を感じさせる名演だと思います。人によって好き嫌いが出るかも知れませんが,私としては昨年紹介したモロニー盤と双璧と思っています。
 録音場所はブエノスアイレスの美術館(オルガンのみシュトゥットガルト)です。


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