バッハ/フランス組曲(BWV812-817)いろいろ

(00/1/1)


 フランス組曲は、バッハのクラヴィア作品の中では私の一番のお気に入りです。しかしながら、CDの種類はイギリス組曲やパルティータにくらべるとずっと少なく、しかも気に入った演奏がなかなかありませんでした。もっとも気に入っていたのはサーストン=ダートがクラヴィコードで演奏したものですが、いかんせん古いモノラル録音のレコードですので、もう少し音の良い新しい録音が出るのを待っていました。
 最近、相継いで2種類のCDを手に入れましたので、以前に持っていたものと合わせて4種類まとめてご紹介しようと思います。お正月特別サービス!


1. トン=コープマン(Ton Koopman)盤

   CD : ERATO 4509-94805-2 (France)
   使用楽器:Willem Kroesbergen, Utrecht 1978, copie Ruckers)

  フランス組曲6曲をCD1枚に収めた徳用盤(笑)です。だからといって,演奏テンポがそれほど速いというわけではありません。さて,演奏の方ですが,残念ながら私はあまり好みではありません。装飾音をいろいろ入れて楽しげに演奏しているのですが,どうもそれがおちゃらけに聞こえてしまうんです。私の耳がよくないのかもしれませんが?それと,楽器の響きがどうも貧弱です。ホールトーンもあまり豊かでないですし,リュッカースのコピーとはちょっと信じられないような情けない音です。


2. ラルス=ウルリク=モルテンセン(Lars Ulrik Mortensen)盤

  CD : Kontrapunkt 32103/4 (Denmark)
  使用楽器:Thomas Mandrup-Poulsen 1984 after Ruckers

 フランス組曲6曲の他に2曲の組曲(イ短調BWV818aと変ホ長調BWV819a)が一緒に収められている2枚組のCDです。演奏者モルテンセンさんはトレヴァー=ピノックに学んだデンマークの方だそうです。演奏はなかなか力のこもったもので,悪くないと思います。ただ,このCD,録音の方がちょっと気になります。ホールトーンが豊かな割にはチェンバロの中にアタマを突っ込んで聴いているような不思議な録音で,聴いてどうも落ち着かず,とても聴き疲れします。フランス組曲というアットホームな曲に似合わない,立派すぎる音なのです。


3. ダヴィット=モロニー (Davitt Moroney)盤

  CD : Virgin Classics Veritas×2 724356165328
  使用楽器:John Philips 1980 after Ruckers 1646/Taskin 1780

 このCDもBWV818aとBWV819aの2曲が一緒に収められています。2枚で1枚分のお値段でしたので,お買い得です!とても落ち着きのある演奏ですし,録音も良好。今のところフランス組曲のCDではこれが一番気に入っています。また,2番の組曲のメヌエットと4番の組曲のガヴォットの異稿が一緒に収められているのもうれしいです。

 


4. エリーナ=ムストネン (Elina Mustonen)盤

  CD : ALBA ABCD136 (Finland)
  使用楽器:Willem Kroesbergen, Utrecht 1993, after Couchet

 フィンランドの女性奏者ムストネンさんは,コープマンに学んだ方です。フランス組曲6曲のみを収録しているので,1枚あたりの収録時間が46分ちょっとです。CDとしては短いですね。ですから時間単価で割高です(笑)。紹介した4枚のうち,このCDだけがフレンチモデルの楽器を使用しています。音色は,フレミッシュモデルのリュッカースとは大分違います。私はどちらかというとこの音色の方が好きです。師匠コープマンのようなおちゃらけた演奏ではなく,装飾音も少な目で好感の持てる演奏です。4枚のうちではbQですね。ただ,このCDでは,6番の組曲のポロネーズを4番の組曲に繰り入れています。解説にはなにも記載されていませんが,どういう意図なのでしょうか。

 


 このほかにユゲット=ドレフュスがエムシュのオリジナルを弾いたレコードをもっています。ちょっと線の細い生硬な感じの演奏ですが,楽器の音色はすばらしいです。あとは,しばらく廃盤になっていたレオンハルト盤が復刻されたようですので,これも見つけたら手に入れようと思っています。(我ながら物好きだなぁ。)


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